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2009年6月15日 (月)

「絵を踏みしだく男たち」

「絵を踏みしだく男たち」

 キャンバスをキャベツのように丸めて、踏みしだく。絵がすでに描かれているキャンバスである。もちろん、こんなことをしたら、塗り重ねた絵の具が無事なはずはない。とにかくあっけにとられながらも、言うとおりに私は踏む。
 指導者はキャンバスを少し広げてみて、踏み足りないところをまた踏む。
「こうするとね、こぼれた絵の具が良いマチエールをつくるんだ。」
 すぐには何を言っているのか分からなかったのだが、こぼれた粉を集めて透明の瓶に入れておいて、上から描く絵の具に混ぜていくと、調和がとれるらしい。
 これがパレットなどの絵の具だとねばついて、あまり使い勝手は良くないという。
適度に乾燥しているのが、使いやすいというわけだ。
「では、ふだんからキャンバスをパレットにしているといいんでは」
「そういう人もいるな」
 とにかく意味が分かってきたので、私も迷いなく、どんどん丸めては踏む。
 こんなことをしながら、粉を販売できたなら、けっこう良いかもと思ったりする。
 絵を描くことは「破壊と創造」であるとはよく言ったものだ。まあ、何も怖い物はないなと思う。
 

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